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Mayors連合(メイヤーズ連合・正式名称:令和臨調「市区町村長連合」)との意見交換会 開催報告

令和国民会議(令和臨調)と、基礎自治体の有志首長でつくるMayors連合(正式名称:令和臨調「市区町村長連合」)は8月30日、呼びかけ第一弾「人口減少危機を直視せよ―人が成長し、産業がかけ合わさり、地域がつながる―」(6月21日公表)に関する意見交換会を開催しました。Mayors連合は、意見交換に際し、現場の実情を踏まえた6項目の課題認識を示しました。

関連資料 意見交換会の様子

交通サービスなど6項目の課題示す Mayors連合との意見交換スタート

Mayors連合側からは、高島宗一郎 福岡市長・代表、桑原悠 津南町長、五十嵐立青 つくば市長の2名の世話人と、東修平 四條畷市長、大西一史 熊本市長、仲川げん 奈良市長が会場で、伊藤徳宇 桑名市長、岡田吉弘 三原市長、神谷俊一 千葉市長、須田善明 女川町長、長野恭紘 別府市長、中山義隆 石垣市長、藤井浩人 美濃加茂市長、山﨑結子 外ヶ浜町長の8名がオンラインで出席しました。

一方、令和臨調「国土構想」部会からは、永野毅、山田啓二、板東久美子の3名の共同座長と宇野重規 主査が出席しました。山田共同座長はMayors連合の顧問も務めています。

冒頭、高島 福岡市長・代表は「生き方・働き方の価値観などが変化しているにもかかわらず、諸制度がアップデートされていない。令和臨調と議論し、国民運動を起こすことが肝要だ」と挨拶しました。

意見交換では、まず、桑原 津南町長・世話人が「市区町村単体では重く、構造的にも大きな課題について、オンライン勉強会で議論を深めてきた」と述べ、6項目の課題認識を紹介し、その後、出席者が意見を述べました。

Mayors連合の課題認識
① 不登校児童⽣徒への⽀援強化
② ⼈⼝減少下における「規制緩和」 〜タクシードライバーの不⾜〜
③ 全国⼀律に適⽤すべきでない規制 〜医療の地域格差の解決〜
④ 広域・官⺠連携による課題解決 〜有資格者の確保〜
⑤ ⼥性の活躍推進 〜多様な働き⽅を阻害している諸制度について〜
⑥ 都道府県の役割

一つ目の「不登校児童生徒への支援強化」では、「国の制度に穴があり、本気で向き合うことが突破口となる」(五十嵐 つくば市長・世話人)など、不登校児童生徒への財政的な支援強化を訴えました。

二つ目の「人口減少下における『規制緩和』」では、「タクシー不足で白タク的なサービスが散見されるなど、制度が現状に合っていない」(仲川 奈良市長)、「バスの時間延長をお願いしたが、人手が足りない」(長野 別府市長)など、観光地も含めた各地域から悲鳴が上がっている現状を伝えました。

三つ目の医療の地域格差の解決のため、「全国一律に適用すべきでない規制」に関しては、「医師の確保や医療機関の機能強化には国や県と連携が必要」(岡田 三原市長)などの指摘がありました。

四つ目の医師や技術職、スクールソーシャルワーカー等の有資格者の確保に向けた「広域・官民連携による課題解決」については「離島・中山間地域へ専門医を招くには、報酬の増額等のインセンティブなどの制度設計が必要」(中山 石垣市長)、「デジタルや通訳などの専門分野で副業などを活用して、自治体と民間が一緒になった人材確保に取り組むことが重要」(藤井 美濃加茂市長)などの意見を述べました。

五つ目の「女性の活躍推進」については、「配偶者控除、社会保険における扶養(年金3号問題)、民間企業における家族手当など内助の功を評価する制度が、働き方を阻害している」(東 四條畷市長)と述べました。

六つ目の「都道府県の役割」については、「自前フルセット主義が限界を迎えており、職員をシェアリングできる自治体のあり方も検討が必要」(伊藤 桑名市長)、「市区町村間の水平調整が促進される環境整備が必要」(神谷 千葉市長)、「複雑化・多様化する地域の課題解決にむけて都道府県の役割を見直す必要がある」(大西 熊本市長)などの意見が出ました。

また、6項目に共通した課題意識として、「ルールや規制についてどのように地方の自由度を上げるかが最終的なゴール」(須田 女川町長)、「都市部と地方で全く環境が異なる中で、時代の変化に対応していない制度を一律に使い続けており、自由度を上げることが必要」(山﨑 外ヶ浜町長)という声が挙がりました。

これらの意見を踏まえ、令和臨調側は、今回の議論を他の部会とも共有する一方、今後、具体的な課題解決へ向けた議論を深める方針を明らかにしました。

関連資料(2023年8月30日時点)
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